The ultra lo-fi garage rock band [The Super Amateur]
MUSIC / Mar 2016
既成の音楽ジャンルをぶっ飛ばす、ロック、R&Bとパンク、そして、上方落語の融合!
怠惰な現代人のハートに突き刺さる「超お説教ソング」であるとともに、「好きこそ物の上手なれ!」、大好きな事なら他人に何を言われようがやり続けろ、というリスナーに向けたメッセージソングです。
シングルエディットのほか、DTMリミックスに既出シングル「Live And Let Die」の「ジェームズボンドのテーマ」を重ねたバージョン、ジャズ風のスタジオお遊びテイクが収録されています。

1.
MUSIC [Single Edit]
2.
MUSIC [Funky Drum Space Invaders Remix]
3.
MUSIC [Ban’s James Bond Theme Remix Remix]
4. MUSIC [Studio Session]
◎ライナーノーツ抜粋
(ライター / bockin'on編集長 巣鴨陽一)
いやはや何とも興奮がおさまらない!はっきり言って、思いっきり笑うたし、思いっきり高揚させていただきました。『ロックとR&Bとパンク、そして、上方落語の融合!』
結成から2年弱のアルバムも未だリリースしていないニューカマーが、一応、音楽評論家である小生の脳髄にスタンガンをぶち当てたかの如く、あらためて、音楽の素晴らしさとロックは進化するということを再認識させてくれたのである。
奇しくも、とまでは言い過ぎかと思うが、2013年10月にルー・リード、2016年1月にはデヴィッド・ボウイという、絶えずその音楽性とヴィジュアルを進化させてきた二人の巨匠が逝ったこのタイミングで、悲嘆に暮れる小生のハートを救ってくれるアーティストがよもや邦人インディーズバンドの内から登場しようとは思いもよらなかった。
もう一度言おう。
『ロックとR&Bとパンク、そして、上方落語の融合!』
曲の前半は、おそらくは噺家であろう師匠*が弟子の日頃の振る舞いを叱責し、最終的にはヒートアップして破門を言い渡す3分程度のセリフ回しになっているのだが、これに合わせてイントロから徐々に加速していくサウンド、そのグルーブ感がたまらなく良い。そして、後半、鬱積した思いを爆発的に吐き出したかのように連呼される「We Love Music」が、使い古されたコード進行ながら熱狂的にリスナーを高揚させる。1回目に聴いたときは思わず立ち上がりましたよ、本当に。
さて、SRC*のカバー曲「地下鉄に乗って2つ目の駅」が昨年11月にリリースされてはいるものの、「THEどしろうと」によるオリジナル曲のシングルリリースとしては、ちょうど1年ぶりとなる今回の「MUSIC」。実は、噺家の師弟のやりとりを題材に、落語に限らず、歌舞伎や能、華道などの芸事、いやいや、それだけではなく、仕事、勉強、スポーツ、そして当然、「音楽(MUSIC)」も含めたあらゆる事に対して、「お前さん!頑張っているか?○○ちゅうのはなぁ、生半可な気持ちではでけへんのやで!」というリスナーに向けられたメッセージであり、これがまた見事に心に突き刺さる。
一方、前半のセリフ回し(歌詞?)のインパクトに惑わされがちだが、サウンド面でもリーダーの才が遺憾なく発揮されていて、前述のとおりイントロから徐々に加速していくサウンドと展開後の力強くもありつつセンスの良いメロディ、そして、これらに終始絡みつき流れるように弾かれまくるギターというのは、まさに唯一無二、リーダーのソングライティングの真骨頂といえるが、このあたりは他のアーティストに例えようもないので、とにかく聴いてもらうしかないだろう。
それにしても、これまで、キ○タクをフューチャーした「卑怯者」や浪曲テイストを取り入れた「ノー・***」にも驚かされたが、今回は落語ですか。いやー、参りました。そして、こんな短期間で想像を遥かに超える進化かつ深化。いやはや、このバンド、全く底が見えない。この曲の誕生に立ち会えた幸運に感謝。
*シングルに同封されている別冊子によれば、師匠は「滑稽亭流暢」、弟子の方は「滑稽亭さしば」という名前だそうです。
*Soul Recovery Co.