The ultra lo-fi garage rock band [The Super Amateur]


ロックコラム集『で、どうしろと?』発刊! / Jun 2022

斎家十六郎(バンの造形作家、音楽雑誌ライターとしてのペンネーム)名義で月刊音楽誌『bockin'on』にコラムを寄稿してきたバン。これまで綴ってきたコラムを収録したロックコラム集『で、どうしろと』が満を持しての発刊っす!
知ったところで一切役の立たないそしてまったくもってオチのない、バンならではの的の外れたロック小話・ウンチクを集めたコラム集っす。

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1番バッター

野球って面白いものですよね。だって、4番バッターばかりを集めても打線は機能しないし。1番から9番まで、それぞれが役割を果たしてこそ効果的な攻撃となるわけで。特に1番バッターには、相手ピッチャーの調子を見極め、出塁すれば機動力を活かして作戦の幅を広げ、打線に流れを呼び込むという重要な役割が課せられていて、とにかく長打を打てばよい4番バッターとは別の難しさがあるわけです。まあ個人的極論なので野球ファンの異論はあるでしょうが。

そんな1番バッターでまず思い出されるのが(藤原 満)ですよね。えっ、知らない?70年代から80年代の南海ホークス低迷期を支えた、オールスターゲームでランニングホームランを打った、ツチノコバットの、あの(藤原 満)ですよ。本当に知らない?

さて、それはさておき、ロックアルバムにも同じことが言えると思うんですよ。
どういうことかと言うと、キャッチーな曲ばかりを集めてもアルバムは機能しないっていうことなんです。いえ、機能しないとまで言うこともないかもしれないが、アルバムを60分の作品として楽しむことはできないってえことなんですよ。
1曲目には1曲目の役割、すなわち、アルバム全体のイメージを方向付け、2曲目以降への期待を高め、アルバムそのものに流れを呼び込むという重要な役割が課せられているということが言いたいんです。
ところが、どうも最近は1曲目にそのバンドの最もキャッチーなシングルカット曲を持ってくることが多いような気がして。昨今のリスナーにアルバム全編をじっくり聴くといことがなくなったことや、レーベルの販売促進目的のため、1曲目が勝負ということなのだろう。寂しいことですね。

そんな中、私にとっての理想の1曲目というのを3つほど紹介します。

まずは、Spiritualizedの「宇宙遊泳」から「Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space (I Can't Help Falling in Love)」。
優しく浮遊感があり、広い宇宙に包み込まれるような錯覚を覚える本当に美しい曲。心の底からリラックスしてしまい、つい身を委ねてしまうのだが、2曲目と併せて聴けばそれが罠だと分かる。2代目桂枝雀は「緊張」と「緩和」から笑いを生みだしたがジェイソン・ピアーズは「緩和」と「緊張」から何を生み出したか?自分の耳で確かめてほしい。

次は、REMの「New Adventure In Hi-Fi」から「How the West Was Won And Where It Got Us」。
スローテンポで音数も多くないのだが、張り詰めた緊張感があり耳を離せなくなる曲。この曲のすごいところは、一度聴いたらYou Cant Stop!っていう感じで、少なくとも6曲目までは聴くのを止められなくなることだ。2曲目から聴いても3曲目から聴いてもそんなことはないのに。まさにアルバムを通して聴くことの喜びへと導いてくれる曲なのだ。

最後は、The TheDuskから「True Happiness This Way Lies」。
街角で一人の男が民衆に向かって人生の真理を説いているような情景から始まり、以降、マット・ジョンソンが語りかけるように幸福についてを歌う曲。アルバムを通して中世ヨーロッパから現代ロンドンまで時間と空間を旅するような感覚を覚えるのだが、まさにそのスタート地点をプロットする曲として機能しているんです。
お見事!


おまけだが、The Stone RosesSecond Comingもすごいですよね。のっけから鳥の鳴き声を5分も流す?みたいな。誉め言葉ですけどね。























































































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